讐敵あだ)” の例文
宇宙間の万象を一切讐敵あだとして、世にすねたる神仏の継子等ままッこら、白米一斗の美禄をれず、御使番を取拉とりひしぎてあらわに開戦を布告せり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お隣のおばさんにも下し賜わらず長火鉢の前の噛楊子かみようじちょっと聞けば悪くないらしけれど気がついて見れば見られぬ紅脂白粉べにおしろいの花の裏路今までさのみでもなく思いし冬吉の眉毛のむしくいがいよいよ別れの催促客となるとも色となるなとは今のいましめわが讐敵あだにもさせまじきは
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)