諦悟ていご)” の例文
私のつくりえ、男は汚れても女は汚れぬと、男はこう悟るが、中々女の諦めきれぬのをよく諦悟ていごさせた歌である。
傾城買虎之巻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
昭和七年の夏よりこのかた、世のありさまの変るにつれて、鐘の声もまたわたくしには明治の世にはおぼえた事のない響を伝えるようになった。それは忍辱にんにく諦悟ていごの道を説く静なささやきである。
鐘の声 (新字新仮名) / 永井荷風(著)