詮事せうこと)” の例文
栗鼠も梟も詮事せうことなしに喧嘩をおつ初めたが栗鼠はふだん殿様が自分を可愛かあいがつて呉れるのは、自分の芸が見たいからだらうと思つて、籠のなかで飜斗返とんぼがへりばかり稽古してゐたので
父さまが鎌倉においでなされたら、わたし等もうはあるまいものを、名聞みやうもんを好まれぬ職人氣質かたぎとて、この伊豆の山家に隱れずみ、親につれて子供までもひなにそだち、詮事せうこと無しに今の身の上ぢや。
修禅寺物語 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)