見上皺みあげじわ)” の例文
仲仕切の暖簾のれんに、人影が、そぼ降る雨に陰気にすと、そこへ、額の抜上った、見上皺みあげじわを深く刻んだ、頬のげっそりこけた、ばさばさ乾干しなびた、色の悪いおんな
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのままつれに連れられようとして、ふと見ると、一方は丘を、一方は谷の、がけ際の山笹を、ひしゃげた茶の釜底帽子かまそこぼうしが、がさがさと、からびた音を立ててゆすって、見上皺みあげじわを額に刻んで