剣あるのみ、とは薩摩さつま西郷吉之助さいごうきちのすけのような人の口から言い出されたことだという。もはや、論議の時は過ぎて、行動の時がそれに代わっていた。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
幕府ばくふがたの勝海舟かつかいしゅうと、朝廷ちょうていがたの西郷吉之助さいごうきちのすけ隆盛たかもり)のはないによって、江戸城えどじょうはぶじにあけわたされましたが、それにはんたいの人々ひとびとがかなりあって、彰義隊しょうぎたいのり
十月二十七日は薩州侯島津忠義しまづただよし西郷吉之助さいごうきちのすけを参謀となし兵を率いて京師に入った日である。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)