くるま)” の例文
薄暗い二間には、襤褸布団ぼろぶとんくるまって十人近くも寝ているようだ。まだつかぬ者は、頭を挙げて新入しんいりの私をいぶかしそうに眺めた。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
いつもこんな日には、外稼ぎの連中は為事しごとにも出られず、三度の飯を二度にして、転々ごろごろ襤褸布団ぼろぶとんくるまりながら冴えない顔をしているのだが、今日ばかりはそうでない。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)