裏切うらぎり)” の例文
「城中から裏切うらぎりして、この方の人数を手引きするなら、落城の後、羽柴様に願って、所領家名の安泰はもちろん、将来良きように取り計らうが」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
又しても妄想もうぞうが我を裏切うらぎりして迷わする声憎しと、かしらあぐれば風流仏悟りすました顔、外には
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
私は自分の品格を重んじなければならないという教育から来た自尊心と、現にその自尊心を裏切うらぎりしている物欲しそうな顔付かおつきとを同時に彼らの前に示すのです。彼らは笑いました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
【槍】裏切うらぎり。ジユダこの武器を用ゐてキリストを賣れり(ルカ、二二・四七—八參照)
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)