裁着たっつけ)” の例文
岡山頭巾で顔をつつみ、半纏の代わりに黒の短羽織みじかばおりを着、股引の代わりに裁着たっつけ穿き、そうして腰に一本ずつ、短い刀を差していた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
結城の裁着たっつけのようなものをはいた六十二三の品のいいおばあさんが、障子を細目に開けて顔をだしたが、おやと呟くと、玄関の二畳へ這いだしてきて、丁寧にお辞儀をした。
虹の橋 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
頭巾、袖無し、裁着たっつけ黐棹もちざお、甚太郎が船に乗っていた。いずれも衣裳は新調で、黐棹ばかりが元のままであった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)