衝撃しょうげき)” の例文
敵の顔まで見える距離で敵を見たのは、この大決戦において、この一瞬が初めてであったのだから、全隊が一時ぎくと衝撃しょうげきをうけたことには相違ない。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
現在同志と思っている者も宛にはならぬというような感情も湧いて、互に相手を疑うような気持にもなった。中にも、小平太は少なからぬ衝撃しょうげきを受けた。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
塾生たちのうけた衝撃しょうげきは、むろん大きかった。先生の言葉が、いつもに似ずしぶりがちで、しかも簡単だったのが、かえってかれらに気味わるい感じをあたえたらしかった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ところが、林助から聞かされた言葉は、青天の霹靂へきれきより、もっと、衝撃しょうげきが大きかった。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
銭形平次の言葉は、無言戦術のお由利にも、恐ろしい衝撃しょうげきを与えました。
銭形平次捕物控:239 群盗 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
こんどの大きな衝撃しょうげきで、何よりもはっきりしたことは、武士と町人と、二階級の立場の差であった。二つの日常生活の差異がき出しに事件の表面に現れたことである。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは、敵毛利家を衝撃しょうげきする以上、安土の宿将たちの心にも大きな波動を打たせた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)