血臭ちくさ)” の例文
人間が最も敏に知る血臭ちくさいものが、墨のように、何処とはなくサッと流れた。毘沙門堂びしゃもんどうからすぐ上の峰道には、一つの柵がある。麓の沙汰人が、交代で山番に来ていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)