蟠蜒とぐろ)” の例文
長さは幾丈あるか鳥渡ちょっとは想像が付かぬ位で、黒い固い綱は狭い室内に蟠蜒とぐろを巻いて、其端そのはしは蛇の鎌首のように突っ立った。これが総て人間の髪毛かみのけであるかと思うと、市郎は何となく薄気味悪く感じた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)