“螽斯（ばつた）” の例文
その人こそ誰あらう、ベスレム製鋼会社の社長から螽斯（ばつた）のやうに一飛びして米国管船局総裁の位置に上（のぼ）つたチヤールズ・シユワツプ氏である。
茶話：04 大正七（一九一八）年 (新字旧仮名) ／ 薄田泣菫(著)
螽斯（ばつた）の雨が降りかかる。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) ／ 与謝野晶子(著)
仰々しい宗左の行列が来かゝると、松平家の用人は螽斯（ばつた）のやうに表へ飛んで出た。そして不昧公からだといつて、大きな金包みを宗左の鼻先きに突きつけた。
茶話：04 大正七（一九一八）年 (新字旧仮名) ／ 薄田泣菫(著)
応募兵は自分が螽斯（ばつた）のやうに勁（つよ）い脚を持つてゐるのを見せるために、二三度靴の踵（かゞと）で地面（ぢべた）を蹴つてみせた。
茶話：04 大正七（一九一八）年 (新字旧仮名) ／ 薄田泣菫(著)
すると、町長は螽斯（ばつた）のやうに飛び出して来た。
茶話：05 大正八（一九一九）年 (新字旧仮名) ／ 薄田泣菫(著)