虫酢むしず)” の例文
「人の顔を見るや否や、すぐに虫酢むしずの走りそうな筋を立てるのは、けだし丹頂のお粂さんひとりと言っても過言ではない」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
全く虫酢むしずのはしるような会話ばかりであった。
平凡な女 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
恋愛を人生の第一義的に夢想したり神秘視して、甘い涙に遊戯する男どもを、彼は軽侮けいぶして虫酢むしずの走るような眼で見る。そういう風に嫌いなのだった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)