蕁草いらくさ)” の例文
顴骨カンコツが高い角丸の、眼の大きくない顔で、よく往来を歩いていました。沙漠に生える蕁草いらくさのように背の低いがっちりさです、かたくて。
蕁草いらくさ刺毛さしげいらわれるような遣瀬なさで、痒味つら味は何にたとえようもないほどであった。しばらくの間は袴の上から押抓おしつねってなだめていられたが、仲々もって左様なちょくなことではおさまらない。
玉取物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)