荘厳シヤウゴン)” の例文
旧字:莊嚴
あまり荘厳シヤウゴンを極めた建て物に、故知らぬ反感までソソられて、廊を踏み鳴し、柱をタタいて見たりしたものも、その供人トモビトのうちにはあつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
さうでなくても、経文の上に伝へた浄土の荘厳シヤウゴンをうつすその建て物の様は想像せぬではなかつた。だがのあたり見る尊さはタダ息を呑むばかりであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
夕闇の上に、目を疑ふほど、鮮やかに見えた山の姿。二上山である。その二つの峰の間に、あり/\と荘厳シヤウゴンな人の俤が、瞬間アラハれて消えた。アトは、真暗な闇の空である。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)