草鞋ぞうり)” の例文
ふと気付くと蜜柑の木の下に立っている。見覚えのある蜜柑の木だ。蕭条しょうじょうと雨の降る夕暮れである。いつの間にか菅笠すげがさかぶっている。白い着物を着て脚絆きゃはんをつけて草鞋ぞうり穿いているのだ。
いのちの初夜 (新字新仮名) / 北条民雄(著)