芒野すすきの)” の例文
云い終ると、文覚はすたすた去って、待たせてある馬の側へ戻り、やがて芒野すすきのの果てに、その姿は、没してしまった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一行はその日の暮、一つの川を真ん中に、薄赤い穂を一面になびかせている或広々とした芒野すすきのを前にしていた。その芒野の向うには又、こんもりと茂った何かの森が最後の夕日にかがやいていた。
姨捨 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)