臨済寺りんざいじ)” の例文
それと、もひとつの理由は、臨済寺りんざいじ寒室かんしつで勉学するにも、低い経机一ツで、せむしのようにしがみついては書を読んだ。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
浅間神社せんげんじんじゃは後廻しにして僕達は町外れの大岩の臨済寺りんざいじというのへ行った。いやしくも由来のある神社仏閣といえば必ず宝物と銘を打って古道具を沢山陳列して置く。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
七歳ななつの頃から今川家の質子ちしとはなったが、臨済寺りんざいじ寒室かんしつで、雪斎和尚せっさいおしょうについて、学問をうけた家康は、その点、秀吉とは、比較にならない高等教育をうけている。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
城地をめぐる広い小松原は、戦時には武者揃いの広場となり、平時は縦横の道筋がそのまま馬場に用いられていた。手をあげて今、小松のかげの横道から彼を呼んだのは、臨済寺りんざいじ雪斎和尚せっさいおしょうであった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)