膨張ぼうちょう)” の例文
山嵐の鼻に至っては、紫色むらさきいろ膨張ぼうちょうして、ったら中からうみが出そうに見える。自惚うぬぼれのせいか、おれの顔よりよっぽど手ひどくられている。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
同胞はらからもあらず、情夫つきものとてもあらざれば、一切いっさいの収入はことごとくこれをわが身ひとつに費やすべく、加うるに、豁達豪放かったつごうほうの気は、この余裕あるがためにますます膨張ぼうちょうして
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)