腰高障子こしだか)” の例文
チョビ安は寝ぼけまなこをこすりながら、裏手の井戸端へ顔を洗いに、ガタピシ腰高障子こしだかをあけて出ていった。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
懐手ふところで、のっそりと台所に来てみると、水口の腰高障子こしだかから二つの顔がのぞいている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
狂女の妄念というのほかはないものの、それにしてもこうしつこく立たれては仏の顔も三度まで、第一客足にも障ろうというもの——海老床の腰高障子こしだかへ隠居が蝦の跳ねている図を絵いてから
そこも磯屋の庭つづきではあったが、すぐ勝手や風呂場ふろばに近くて、おんなや下男が多勢立ち働いているのが、あけ放した水口の腰高障子こしだかのなかに見えていた。たきぎを割る音や茶碗ちゃわんを洗う音もしていた。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)