“腓腸（ふくらはぎ）” の例文
鱷は先づ横に銜へてゐたイワンを口の中で、一捏（こね）捏ねて、足の方を吭（のど）へ向けて、物を呑むやうな運動を一度した。イワンの足が腓腸（ふくらはぎ）まで見えなくなつた。
鱷 (新字旧仮名) ／ フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(著)
それから戸口へ廻る時、実際行潦（ぬかるみ）へ左の足を腓腸（ふくらはぎ）まで蹈み込んだ。靴に一ぱい水が這入つた。女は今氈（かも）一枚で覆つてあるベンチのやうな寝台（ねだい）に腰を掛けて、靴を脱ぎ始めた。
パアテル・セルギウス (新字旧仮名) ／ レオ・トルストイ(著)
スパニアの長靴で腓腸（ふくらはぎ）を締め附けられたように
ファウスト (新字新仮名) ／ ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(著)
腓腸（ふくらはぎ）の贋物（にせもの）を食っ附けて歩いているのよ。
ファウスト (新字新仮名) ／ ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(著)