腑脱ふぬ)” の例文
そしてそれがようやく遠ざかつて行くと彼は腑脱ふぬけのやうになつて行つた。彼はから念仏を唱へながら、滅多めったに彼の部屋の外へ出ないため、にわかに彼の部屋専用に付けさせた便所へ出入りするやうになつた。
老主の一時期 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)