聟入むこい)” の例文
「もっとも柴田の跡取り娘を狙ったり、何とかいう大身に聟入むこいりする話があったんだから、少しは気をつけたんでしょうよ」
聟入むこいりという形で婚儀は挙げたが、藤吉郎の一身は、浅野家を継ぐには事情がゆるさない。いずれ中村の母や家族も迎え取らねばならぬ総領そうりょうである。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
片目の杢太殿が池の主に聟入むこいりをして、自分も大蛇になったといえば、魚類はその一門だからだんだんかぶれて、目が一つになろうとしているのだと、想像する人もあったわけであります。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「川波勝弥は悪い人でございました。姉が自害したことが世上の噂に上り、大身への聟入むこいりの話も破談になると、今度は、私へ無体なことを申しました」
ガラッ八の八五郎が、その晩聟入むこいりをすることになりました。