老婆おばあさん)” の例文
仕出しの老婆おばあさんが、振りのぶら/\する、袖の長い着物を着てすましてゐたりするが、往來でも無自覺にめかしてゐるひとが多く目につく。
夏の女 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
老婆おばあさんになられる場合もある」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
隣家となり常磐津ときわず老婆おばあさん師匠が越して来て、負けずに窓のある部屋へ見えるように飾りたてたりしたが、のぞいて見ると、それは子供にも不思議に思えた男の子のつけているもののかたちを
着てゐる人の感情が、しつくりと着物とついてゐると、それが若い女ばかりではなく、老婆おばあさんはおばあさんなりに着物も生きてゐる。きものも鳥のはねとおなじやうで、さうなると、ちつとも堅くはない。
夏の女 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)