義弟ぎてい)” の例文
彼女は相応そうおうに久さんを可愛かあいがって面倒を見てやったが、無論亭主とは思わなかった。一人前に足らぬ久さんを亭主にもったおかみは、義弟ぎてい稲次郎の子を二人までんだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
こんなことでよからう。——お内儀さんは物干から投落された。下手人は、大きい聲では言へないが、番頭の佐吉か、亡くなつた主人の義弟ぎていの六郎か、妹のお里か、この三人のうちだ。——金之丞さん、よく氣を
戸籍面こせきめんの父はおろかで、母は莫連者ばくれんもの、実父は父の義弟ぎていで実は此村の櫟林くぬぎばやしひろわれた捨子すてごである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)