繭買まゆか)” の例文
そこここの宿屋の薄暗い二階からは、方々から入り込んでいる繭買まゆかいの姿などが見られた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ものを取れば、一くせあるつらだましいの者ばかりだったが、平常は、野に住んだり、畑を打ったり、繭買まゆかいをしたり、馬を飼って市へ出したりなどしている、ただの農民や商人と変りがない。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お庄は母親の蔭の方に坐っていて、柱も天井もくろずんだ、その油屋という暗い大きな宿屋の荒れたさまを目に浮べた。そこは繭買まゆかいなどの来て泊るところで、養蚕期になるとその家でも蚕を飼っていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「延徳村の繭買まゆかいの爺さん」
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)