繍取ぬいと)” の例文
「麻の地に、太い毛糸で繍取ぬいとりをした幕でしたよ。プウランジって言ったものですけれどね、り切れるなんていうことはありませんでしたよ」
長い総のついた帯には繍取ぬいとりのあるさまざまの袋を下げているのを見て、わたくしは男の服装の美なる事はむしろ女にまさっているのをうらやましく思った。
十九の秋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)