縹色はないろ)” の例文
縹色はないろの新しい直衣のうしを着た若い公家くげが春風に酔いを醒ませているらしく、水にただよう花の影をみおろしながらみぎわの白い石の上に立っていると、うしろからそっと声をかけた者があった。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
このあかりで、白い襟、烏帽子のひも縹色はないろなのがほのかに見える。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)