縄取なわど)” の例文
旧字:繩取
「いかんぞ、いかんぞ、ゆだんもスキもなりはしない。まだすっかりできあがらぬうちに、この大坂城おおさかじょう縄取なわど構造こうぞう浜松はままつたぬきめがぬすみおった」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
築城試合ちくじょうじあいも、じっさいに縄取なわどりの早さでも腕競うでくらべしてくれればありがたいが、議論ぎろんだけでは吾人ごじんには少しむずかしぎてかたがはるぞ、という顔つき。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、その家康が、いつこの大坂城の縄取なわどりをぬすんだというのか、福島市松ふくしまいちまつには主君のいうことがさっぱりせないふうで、へんな顔をしてきいていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)