しゃく)” の例文
高位の人命にかかわる事態などと言っておきながら、文脈の中に、しゃく々たる余裕をしめしている。人を馬鹿にしたようなところもある。
顎十郎捕物帳:16 菊香水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
と、もうその時にはその人影、河とは反対、耕地の方へ投げられた石のように走っていた。眼にもとまらぬ早業で、しかもしゃく々たる余裕がなければ、到底出来ない芸当である。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)