結納ゆひのう)” の例文
結納ゆひのうの品々つらする者、雑誌など読みもて行く者、五人の子を数珠繋ずずつなぎにして勧工場かんこうばる者、彼等はおのおの若干そこばくの得たるところ有りて、如此かくのごとく自ら足れりとるにかあらん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「宮、待つてゐろ、俺も死ぬぞ! 貴様の死んでくれたのが余り嬉いから、さあ、貫一の命も貴様に遣る! 来世らいせで二人が夫婦に成る、これが結納ゆひのうだと思つて、幾久いくひさしく受けてくれ。貴様も定めて本望だらう、俺も不足は少しも無いぞ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)