紺地こんじ)” の例文
男はパナマらしい帽子をかぶ紺地こんじ浴衣ゆかた一枚、夏羽織も着ず、ステッキを携えている様子はさして老人とも見えなかったが、薄暗い電燈の灯影ほかげにも口髯くちひげの白さは目に立つほどであった。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その紺地こんじに、清く、さらさらと装上もりあがった、一行金字いちぎょうきんじ一行銀書いちぎょうぎんしょの経である。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
紺地こんじ二重ボタンの背広に蝶結ちょうむすびのネキタイ。年の頃は三十五、六。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)