素破拔すつぱぬ)” の例文
新字:素破抜
お藤に素破拔すつぱぬかれると、萬次郎はそれに抗らふ氣力もなく、がつくり首を落して、平次の前に二つ三つお辭儀をしました。
そんなら俺も彼奴あいつの事を素破拔すつぱぬいてやらう、と氣が立つて來て、卑怯な奴等だ、何も然う狐鼠狐鼠こそこそ相談せずと、退社しろなら退社しろとはつきり云つたら可いぢやないか、と自暴糞やけくそな考へを起したが
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
平次の素破拔すつぱぬきは、無造作で無技巧で、何んの氣取りもありませんが、それを聽いたガラツ八の驚きは大變でした。
文治に對して好意を持ち過ぎてゐるので『三崎に育つた漁師の子』とは素破拔すつぱぬき兼ねた樣子です。
お若は妙なところで、主人六右衞門の口やかましさを素破拔すつぱぬきます。
この素破拔すつぱぬきには、聽いてゐるガラツ八の方が驚きました。