“紙鳶糸”の読み方と例文
旧字:紙鳶絲
読み方割合
たこいと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夏なんぞは熱くて寐られないと、紙鳶糸たこいとに杉の葉を附けて、そいつを持って塀の上に乗って涼んでいる。下を通る奴は災難だ。頭や頬っぺたをちょいちょい杉の葉でくすぐられる。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
風に乗った紙鳶糸たこいとの如く勢いよく行ったそこの繩に手でもかけようものなら、上の綱を走る小車の力に引かれて、自分の体も岩角からトンボを打って奈落ならくへのぞんでいたかもわかりません。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)