納戸ぬりごめ)” の例文
二十年来、蔵人に仕えている老僕おとなの話では、納戸ぬりごめの板敷を這って逃げまわるのを、ひと時、立身たちみになって冷然と見おろし
無惨やな (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
すませばすまされるのない行状だったのだが、蔵人には、いっさい勘弁がなく、無理に願って姫路へ呼びくだし、納戸ぬりごめにひきこんで一刀のもとに斬って捨て、死体は長持の中へ放りこんでおいた。
無惨やな (新字新仮名) / 久生十蘭(著)