紅蜀葵こうしょっき)” の例文
そうしてその蔓の端は茂った楓の大小の枝の間から糸のように長く垂れさがって、もう少しでその下の紅蜀葵こうしょっきの頭に届きそうである。
烏瓜の花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
紅蜀葵こうしょっきは、日かげへ移した為か虫が付いて、花は一つ二つしか咲かなかった。しかし蜀葵は花を見なくもいい、その茎と葉の持つ気品は、それを見ただけでも十分だと思わせる。
(新字新仮名) / 窪田空穂(著)