徳太郎君聞給きゝたまひ先夜も申聞すごとく予は紀伊大納言殿きいだいなごんどのの三男徳太郎信房のぶふさだぞ無禮ぶれい致すな提灯ちやうちんもんは目に見えぬか慮外りよぐわいせばゆるさぬぞとのたまふ大岡大音だいおんあげ紀伊家の若君が御辨おわきまへなく殺生禁斷せつしやうきんだんの場所へあみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)