“粟田山”の読み方と例文
読み方割合
あわたやま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
粟田山あわたやまの樹々は、うっすらと日ごとに春色を加えてきた。黒谷の吉水よしみずには、夜さえ明ければ、念仏のこえが聞えやまなかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
打出うちでの浜を来るころに、源氏はもう粟田山あわたやまを越えたということで、前駆を勤めている者が無数に東へ向かって来た。
源氏物語:16 関屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
眼をさまして、朝の勤めをすますと、きれいにかれた青蓮院の境内には、針葉樹の木洩こもして、初秋の朝雲が、粟田山あわたやまの肩に、白い小猫のようにたわむれていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)