粛然ひっそ)” の例文
旧字:肅然
文三は耳をそばだてた。いそがわしく縁側を通る人の足音がして、暫らくすると梯子段はしごだんの下で洋燈をどうとかこうとか云うお鍋の声がしたが、それから後は粛然ひっそとして音沙汰おとさたをしなくなった。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)