粗土あらつち)” の例文
門といってもかたちばかりのもので、住居すまいの屋根は茅ぶき、柱の多くは皮つきの杉丸太、竹の縁、粗土あらつちの壁、庄屋の家ほどもなかった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そんな事を、混沌こんとんと、めまいの頭で描いている間に、小溝に沿った粗土あらつちの土塀が、駕籠の外に、ちらと見えた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いかに後醍醐のご気性であろうにせよ、肉体のご困憊こんぱいにはちえない。十善の天子とお生れあっていらい、初めて“非情な世の粗土あらつち”というものに、そのお跣足はだしを噛まれたのである。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
粗土あらつちと松の丸柱にすぎない床の間を見ると
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)