“粗土”の読み方と例文
読み方割合
あらつち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
門といってもかたちばかりのもので、住居すまいの屋根は茅ぶき、柱の多くは皮つきの杉丸太、竹の縁、粗土あらつちの壁、庄屋の家ほどもなかった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そんな事を、混沌こんとんと、めまいの頭で描いている間に、小溝に沿った粗土あらつちの土塀が、駕籠の外に、ちらと見えた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いかに後醍醐のご気性であろうにせよ、肉体のご困憊こんぱいにはちえない。十善の天子とお生れあっていらい、初めて“非情な世の粗土あらつち”というものに、そのお跣足はだしを噛まれたのである。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)