筋違橋すじかいばし)” の例文
御霊の文楽座へ大夫を送って帰り途、平野町の夜店で孫の玩具を買うて、横堀伝いに、たぶん筋違橋すじかいばしか横堀川の上に斜めにかかった橋のたもとまで来ると
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
思い立ってから十五日目、物持の隠居が、碁か雑俳の集まりから帰るといった恰好で、平次は佐久間町三丁目から筋違橋すじかいばし(今の万世橋)の方へ辿たどっておりました。
下新田へ養子に往ってから便りもしないが、何うなすったか逢いたい事と思って、筋違橋すじかいばしの戸田様の前へ来て、通用門へ掛ればいゝに、知りませんから表門へかゝり
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
一つは本郷追分ほんごうおいわけから谷中やなかまでひと舐めさ、こっちはおめえ小石川から出たやつが上野へぬけてよ、北風になったもんで湯島から筋違橋すじかいばし、向う柳原やなぎわら、浅草は瓦町かわらちょうから茅町かやちょう
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
江戸時代には筋違橋すじかいばしから浅草橋までおよそ十町のあいだに高い堤が続いていて、それには大きい柳が植え付けてありましたから、春さきの眺めはなかなかよかったものです。
半七捕物帳:43 柳原堤の女 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
御霊の文学座へ太夫を送って帰り途、平野町の夜店で孫の玩具を買うて、横堀伝いに、たぶん筋違橋すじかいばしか、横堀川の上に斜めにかかった橋のたもとまで来ると
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)