立野たての)” の例文
僕は朝早く弟と共に草鞋わらじ脚絆きゃはんで元気よく熊本を出発った。その日はまだ日が高いうちに立野たてのという宿場まで歩いてそこに一泊した。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
高岡石動いするぎ間の乗り合い馬車は今ぞ立野たてのより福岡までの途中にありて走れる。乗客の一個ひとり煙草火たばこびりし人に向かいて、雑談の口を開きぬ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今やたおれぬべく覚ゆるころ、高岡より一里を隔つる立野たてのの駅に来たりぬ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)