穿違はきちが)” の例文
女は狡猾な鳩のやうなもので、男がうつかり掌面てのひらゆるめると、直ぐぱた/\と飛び出す。そしてそれを男の油断からだとは思はないで、自分に羽があるからだと穿違はきちがへる。
と叫んで、そつと司会者に訊くと、弁士が弔演説をしてゐる男は、今は課長に昇進して、亡くなつた男がその後釜あとがますわつてゐたのを雄弁家がつい早飲込みにその男だと穿違はきちがへてしまつたのだ。