穉気ちき)” の例文
旧字:穉氣
私なぞ悪文のかんむりはうにつけられているし、私自身も悪作家といわれた方がはるかに他の美名を貰うより潔い、だからこそ、この物語の穉気ちきを自ら好むのである。
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
『万葉集』の歌は文学的に作為せしものに非れども、穉気ちきありて俗気なき処かへつて文学的なる者多し。『新古今集』には間々佳篇あり。『金槐きんかい和歌集』には千古の絶唱十首ばかりあるべし。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)