秘差かくしざ)” の例文
弦之丞は、しきりとしゃべっている男の話には、よい程な生返辞なまへんじをしていながら、ひそかに笛嚢ふえぶくろの紐を解き、秘差かくしざしの一刀へ左の手をかけて、プツンと拇指おやゆび鍔裏つばうらを押しきっていた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)