私娼窟ししょうくつ)” の例文
たった一度——というのは、すこし説明を要するが、この半平は元来、貞操堅固の男だったのを友人達が引っ張り出して、東都名物の私娼窟ししょうくつたまへ連れていったのだった。
幸運の黒子 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その小窓は照子の坐っていた小窓を思わせるが、留置場と私娼窟ししょうくつとではずいぶんちがう。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
女たちは無論戯れとは知りながら、少し心配したようにひとしくその後姿うしろすがたを見送ったが、瑠璃子はもともと梳子の時分ないない私娼窟ししょうくつに出没して君江とも一、二度言葉を交えた間柄。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そこの私娼窟ししょうくつにせっせとかよっているといううわさを聞いた。
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
私娼窟ししょうくつならできるかもしれないがと、やり手は言った。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)