神護寺じんごじ)” の例文
神護寺じんごじ再建の悲願のかたわら、平家覆滅の大願を秘かに抱きつづけたという話も特に聞いたことはない。
国宝になっている神護寺じんごじ蔵の重盛と頼朝との画像は隆信の筆といわれて、すでに知っておられる諸君も多いであろうが、日本の肖像画中での傑作である。『藤原隆信朝臣集』がある。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
神護寺じんごじ廃毀はいきを修復して、仏法の興隆を喚起し、あわせて父母の冥福めいふくをも祈る、という勧進かんじんをして、都の市民へ呼びかけていたが、一日あるひ、法住寺の法殿に貴紳が多く集まると聞いて
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この山には神護寺じんごじという山寺があったが、久しい間誰も修繕しなかったので荒れるままに放置されている。春は霞に立ちこめられ、秋は霧の中に捨ておかれ、傷みきった寺の扉は風に吹き倒された。
「高雄の神護寺じんごじへ参らぬか」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)