祕事ひめごと)” の例文
新字:秘事
我が無禮なめなるをゆるし給へ。君等の歩み寄り給ひしときは、われ早くこゝに坐して涼をむさぼり居たり。御物語の祕事ひめごとと覺しきには、後に心付きしが、せんすべなかりしなり。
かくもねたげに祕事ひめごとのさはにもあるか、海と人。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
何ぞ、いかなる祕事ひめごとぞ。
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
我は汝が祕事ひめごとを人に告ぐるものにあらず。汝が禁を犯したるは、汝が身に取りて譽となすべき事なり。我は久しく汝が上にかゝることあらんを望みき。されど彼書をば、汝何處にてか獲つる。
そはわが祕事ひめごとなり。かく答へて我は彼瓶を受け、かわきたる咽を潤したり。