眩暈めくるめ)” の例文
老いたる男、最後の一撃をなさむとする所に、忽ち眩暈めくるめき倒れ、槌は手を離れて地上に落つ。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
その眩暈めくるめくばかりの重い香は彼には最初の接吻の甘美を思ひ起させるものであつた。さうして彼がそれをう感ずる為めにとて、古来幾多の詩人が幾多の美しい詩をこの花に寄せて居るのであつた。
眩暈めくるめき、素肌すはだに立てるわかうどが赤きまぼろし
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
見よ、眩暈めくるめく水のおも、波も真白に
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)